コロナに対するいろいろな反応について哲学者はどう考えているか。
G・アガンベンは「各国の非常事態の処置は、例外状態を通常の統治パラダイムとして用いるという傾向がますます強まっているが、ここでもその傾向が現れており、例外化処置の原因としてのテロは枯渇してしまったが、その代わりにエピデミックの発明が、あらゆる限界を超えて拡大する理論的口実を提供できるというわけである。加えて、この数年、明らかに人々の意識の中に拡散してきた恐怖状態も、諸政府によって課せられる自由の制限はセキュリティへの欲望の名において受け入れられるが、当の諸政府こそがセキュリティへの欲望を駆り立て、その欲望を充たすべくいまや介入を行う。」と警鐘を鳴らしてている。(「現代思想2020年5月号ー緊急特集・感染/パンデミック 参照)
なお、大澤真幸・国分功一郎「コロナ時代の哲学」(thinkingO 016) の両者の対談の後半は、アガンベンのコロナ論(主にネット上で発表ーURL付)を論じている。